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山田敦也さん

大学院基礎工学研究科 博士後期課程1年
電子物理科学科 エレクトロニクスコース卒業

(2022年当時)

出身高校:愛知県立五条高校


高校時代の得意科目:数学・物理


阪大(基礎工)を意識し始めた時期:高2の夏

社会にイノベーションを起こせる研究者を目指して

「電子物理科学科」を選んでどうでしたか?
「電子物理科学科」を選んでどうでしたか?

Interview

山田敦也さんポートレート
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社会的課題である、超低消費の半導体メモリの実現に向けて

研究テーマについて教えてください。

コンピュータや半導体に関係する研究をしています。今のコンピュータは半導体技術により支えられており、主に電子の電荷の性質を用いているのですが、それに加えて電子のスピンの性質、わかりやすくいうと磁石の性質を組み合わせることによって、超低消費電力の半導体デバイスをつくれるのではないかと考え、その実現に向けて研究を行っています。

私の場合は、自分の研究室で基板洗浄から半導体や強磁性体(磁石のこと)の成膜を行い、さらに微細なデバイスの作製、その測定まですべてを行っています。この実験過程そのものが大変でやりがいがある分、最終的なデバイスで自分の望んだ物理現象が見えたときはとても嬉しい気持ちになります。また、もし望み通りの結果が出なかったとしても、そうなった理由を考えるのが研究者としてはまた面白いのです。

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なぜ、そのテーマを選んだのですか?

今、パソコンやスマートフォンが普及していますよね。日本は少子高齢化で人口が減少していますが、世界的にはどんどん人口が増え、パソコンやスマートフォンを利用する人もどんどん増えていきます。また、AIやIoTなどの技術の普及により取り扱う情報量は非常に大きくなっており、それらの情報を保存するため相当なエネルギーを使います。2018年の時点でも、世界のデータセンターでは原子力発電所20基分のエネルギーが消費されています。今後も指数関数的に情報量は大きくなる中で、現状の生活を持続可能にするにはコンピュータの性能を上げていく必要があります。しかし、現状の半導体技術の延長では近い将来、その性能の向上は頭打ちになってしまうと言われており、超低消費への革新的なアプローチである私の研究には進めていく意義があると考えています。

基礎工学部・研究科のよいところは?

基礎工学部・研究科がある豊中キャンパスは理学部の講義も受けやすく、最寄りの石橋は学生にやさしい街で過ごしやすいなど、いろいろよい点があります。その上で、私が特に伝えたいのは基礎工学部に留学生相談室があることです。相談室は留学生と日本人学生の交流の場でもあり、留学を希望する日本人学生を後押ししてくれる場でもあります。

国内はもちろん、海外の研究者との交流は多く、私ももうすぐイギリスの研究室に留学する予定です。向こうでは半導体の結晶性評価をメインに研究したいと考えています。留学にもいろいろな選択肢があって、1年間休学して海外で学ぶ学生もいれば、博士後期課程の3年間を海外の研究室で過ごして博士号を取得する学生もいます。

大阪大学には安心して研究に専念できる環境が整っている

山田敦也さんポートレート
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博士後期課程に進もうと決めたのはいつですか?

私は、研究が面白かったので学部4年生のときに博士後期課程まで進むと決めました。前期課程だけだと就職活動もあるので、思ったより研究時間が取れません。深く研究したい人は後期課程まで進む方がよいと思います。

「でも、費用が心配」という人にお知らせを・・・。文部科学省や大阪大学では、博士後期課程の学生向けに経済支援プログラムを設けています。それを活用すると、基本的には生活費の心配をすることなく研究に専念できるのです。優秀な学生なら、アルバイトしなくても、博士前期・後期課程の5年間を支援金や奨学金でやりくりすることは可能です。

大学院修了後はどうされますか?

これからも世界の先端を行く研究を続けて、社会にイノベーションを起こせる研究者になりたいと考えています。それと同時に、できれば科学の面白さや自分の研究の魅力を多くの人に伝えていきたい。今もたまにYouTubeで一般の人が興味を持てるような簡単な実験などを配信しています。

卒業後、大学に残るか、企業に就職するかはまだ迷っています。最近は産学官連携の研究プロジェクトも多く、大学でも企業でも大きな差はないかもしれません。今も世界最先端のデバイス研究をさせてもらっているように、大学でもやれることは多いと感じています。

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高校生に向けてメッセージをお願いします。

大阪大学は、国公立大学では日本で一番学生数の多い大学です。大阪大学に来ればたくさんの人に出会えて、たくさんの授業を受けられます。入学してからでもいいので興味のあることや熱中できることを見つけてほしいと思います。大学に入ったら何をしたいか考えながら、今の高校生活を謳歌してください。そして、もし大阪大学を目指しているなら合格できるように頑張ってほしいと思います。

山田敦也さんポートレート
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Person

理論と実用を融合させた学びを楽しみたい

水野真実さん

基礎工学部電子物理科学科 1年

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「当たり前」を「新しい当たり前」に

松本碧さん

大学院基礎工学研究科 博士前期課程 2年(電子物理科学科 物性物理科学コース卒業)

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