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松本碧さん

大学院基礎工学研究科 博士前期課程 2年
電子物理科学科 物性物理科学コース卒業

(2022年当時)

出身高校:京都女子高等学校


高校時代の得意科目:数学・物理


阪大(基礎工)を意識し始めた時期:
阪大を目指すことにしたのが高1で、基礎工を知って目指したのは高3の夏

「当たり前」を「新しい当たり前」に発展させたい

「電子物理科学科」を選んでどうでしたか?
「電子物理科学科」を選んでどうでしたか?

Interview

松本碧さんポートレート
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超伝導という不思議な現象に興味を持ち、1K以下の極低温で実験

研究テーマについて教えてください。

超伝導物質について研究しています。特殊な超伝導の原理を調べるため、1K(ケルビン)以下の極低温で電気抵抗などの物性を測定します。大変なのは、極低温にするのに時間がかかること。毎日実験装置のお世話が必要になり、温度が安定するのに何時間も待つことがあるので、そんなときはみんなでバトミントンをして遊んだりしていました。準備は大変ですが、温度コントロールがうまくできてグラフがきれいに取れたり、自分のつくった装置がきちんと機能して良い精度で温度測定できたときは面白いと感じます。

豊中キャンパス風景

基礎工学部・研究科のよいところは?

基礎工学部は教員1人あたりの学生数が少ないので先生と話がしやすく、学部生のころはよく質問に行っていました。院生になった今も、実験をサポートしていただくなど手厚く指導いただいています。また、大阪大学には低温センターがあって、液体ヘリウムの製造や供給する設備が充実しているのも大きいですね。私がやっている超伝導の実験は液体ヘリウムが大量に必要なので、安定して供給してもらえるのはとても助かります。

女性が少ない分野ですが、不便なことはありますか?

確かに基礎工学部の中でも、化学応用科学科などに比べると、電子物理科学科は女性が少ないですね。でも、やりにくいと思ったことはそんなになくて、冗談でよく話しているのは「髪を切っても気づいてもらえない」ことくらい(笑)。女子トイレも結構ありますし、女性用更衣室もできました。まわりの男子学生もフランクな人が多く、女子学生同士は人数が少ない分より仲良くなるので孤立することはないかなと思います。

物理が苦手という友人と話していて思ったのは、高校で習う物理は古典が多くて、大学での物理と全然違うということです。教科書的な物理しか習わないから、あまり身近に感じないのかもと思いました。出張講座などで物理の面白い面を見せる機会が増えれば、物理に興味を持つ女子学生も増えるかもしれませんね。

松本碧さんポートレート
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修了後はメーカーの研究職に。チームで面白いことをしたい

大学院修了後の進路を教えてください。

修了後は空調機器メーカーに研究職として就職する予定です。超伝導に関する研究を一般企業で続けるのは難しいので、もともと今の研究をそのまま活かそうとは思っていませんでした。空調機器はどこにでも普通にあるものです。当たり前だと思っている部分を「新しい当たり前」にするというか、身近なものをもっと発展させることに貢献したいと考えて就職を決めました。

私はチームで何かをすることが好きです。チームなら、一人では思いつかないこと、できないことができる。会社には、大学よりももっといろいろなバックグラウンドを持つ人が集まると思うので、そうした人たちとお互いに良い効果を与えあって、チームで面白いことができると楽しそうだなと期待しています。

高校生に向けてメッセージをお願いします。

高校生のみなさんから見れば、基礎工学部や電子物理科学科は「何をしているかよくわからない」と思うかもしれません。でも、実は他の学部・学科でも同じで、知っているつもりでも違う部分が必ずあると思います。なので、ちょっとでも興味があれば考えてみてはどうでしょう。入学してみると、思ってもいなかった魅力が広がると思います。あまり先入観を持たず、好奇心に従って純粋に興味で電子物理科学科を選んでくれたらうれしいです。

松本碧さんポートレート
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Person

理論と実用を融合させた学びを楽しみたい

水野真実さん

基礎工学部電子物理科学科 1年

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イノベーションを起こせる研究者を目指して

山田敦也さん

大学院基礎工学研究科 博士後期課程 1年(電子物理科学科 エレクトロニクスコース卒業)

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